動画を作った理由
今回は最近作った動画について少し語ろうと思う
今私はこんなゆっくり解説の動画シリーズを作っている
【ゆっくり解説】任天堂のインタラクティブミュージックを巡る part1
動画サイトで広告収益を上げて生計を立てる人たちがいる時代に真っ向から歯向かう「生産コスパが悪い」タイプの動画だ。そんな動画をなぜ作ろうと思ったのか綴っていこうと思う
言い出しっぺの法則
一番シンプルな理由は「そういうコンテンツが欲しかったけど無かったから」 だ。そういうコンテンツとは任天堂の何らかの話題について深く語っているもので、別にインタラクティブミュージックに限らず何でもよかった
ただ見つかった限りではネットに既にある情報をまとめただけのもの、あくまで任天堂を一つの例として取り上げているだけもの、海外の方が制作した動画で言葉が分からないもの(これはまあ...)などなど...。自分の求めるものとは微妙に違うものばかりだった
アニメオタクが一人ひとりの原画マンに対して特徴や癖を分析したり、監督の作風や年代ごとの変遷を分析するように、ゲームでもそういうことをしているオタクがいるだろうなあと期待していたが、ゲームの世界にはそういう人はあまりいないようだ。任天堂ほどファンが沢山いる会社であっても何かしらについて深く語る人は少ないんだ、と少し幻滅したりもした
まあそこから「だったらお前が作ればいいじゃないか」と思い至った訳だが
体系的に語りたい
そしたら次に考えるは題材だ。自分がただ任天堂を好きという理由だけで、何でもかんでも持ち上げるようでは自己満足にしかならず、不特定多数に発信する意味がない。語るからには「それは任天堂に限定しても十分に語れる題材なのか?」「掘り下げたら面白い話ができるのか?」この2つは最低限クリアしなければならない
私は普段ほとんど任天堂のゲームしか遊ばないから任天堂のゲームが他の会社と比べ、どこが優れているのかを語ることはできない
ならば縦(ゲーム会社同士)で比較するのではなく横(時間軸)で比較すればいいのでは?と考えた。すなわち「昔から今にかけてどのような実例の積み重ねがあり、その結果として今の姿があるのか」という歴史だ
ただ、歴史は大まかな流れを追うために大事なセンテンスを掻い摘んで追っていく方法が主流なため、一つ一つの要素を掘り下げにくい。そのためソフト一つで話題を完結させられる形が望ましい
とすると任天堂には昔から積み重ねてきたインタラクティブミュージックの実例が多くあるじゃないかと。一つのタイトルに対して「このゲームのIMはすごい」という取り上げ方は他社のソフトでも出来るが、会社全体としてソフトやシリーズに関わらずIMの歴史が昔からある会社となると任天堂ぐらいしかないんじゃないだろうか
そして、一つ一つのソフトごとに「このソフトではこういうことに挑戦している」と順を追って見ていくことで「前にこのソフトでやったことの発展系がこれ」という歴史の流れを見ることができる
結果として「任天堂のインタラクティブミュージックをソフトごとに時代順に見ていく」構成になったわけだ
実際に作ってみて
大変!面倒くさい!
まず動画で取り上げるために予め「このソフトのここにIMがある」ということを把握しなければならない。情報をまとめたサイトや文献が無いから、自分でプレイしながら確認していかなければならない
一応インタビューや記事は無いことも無いが、「このゲームにはこういう例があります」という一例としての紹介が殆どで、それらの情報だけを頼りにすると間違いなく抜けが発生する
まだ動画は2つしか作っていないが、現時点でもネットの情報だけを頼りにしてたら絶対見つけられなかったIMがたくさん出てきている
まあだからと言ってすでに調査済みの情報を元に、淡々と動画で使用するプレイ映像を録画していくというのも、それはそれで退屈な気はするが...
そして調査&録画を終えたら次はゆっくり解説の原稿作りだ。これもまあ面倒くさい
参考になる文章が無いから自分の頭で考え、頑張って文を捻り出すしかない。私は文章を流れるように書いていくことが苦手だ。書いている途中で「これじゃ伝わらないよな…」とか「流れに身を任せて主題から脱線した」とか「言いたいことが全然固まってない」とか色々考えてしまう。そして収拾がつかなくなると、気に入らない部分を全部消してしまう。このエントリーもその繰り返しの結果として残ったものだ
時たま目にする文章を書くコツの中に「とりあえず最後まで書いて後から文章を整えていけばいい」というものがあるが、自分の場合は書きながら考えをまとめていくタイプ(正確には途中で頭に浮かんでくる反証に対して考えを微妙に変えていくタイプ)なのでこれは成功した試しがない。たまに反省して起承転結や語りたいことを箇条書きにしてから文章を書いたりするが、それでも書くスピードは安定しない
これは仮説だが、解説動画をコンスタントに作る秘訣は、元となる書籍やネットの情報の存在だと思う。それらの情報を要約(時にほぼコピペ)することで動画の生産スピードを保証することができる
という感じに、ここまで文章の作り方の話の流れも割と脱線しているわけだ
そして最後に動画編集だ。これは自分が比較的好きなこともあって、そこまで大変とは感じない。かかる時間も前二つの工程と比べると圧倒的に早い
動画編集で悩むのは使う動画のシーンと、画面に書く補足情報だ。すでにゲーム画面の録画データはあるが、それだけで十分かどうかは実際に編集してみて、前後の解説からの一連の流れを見て、動画を通しで見ないと判断できない
とは言ってみたもののの、動画制作者は動画時間の何倍もの時間をかけて動画を作り、その動画と向き合うため、内容を熟知してしまっている。限られた動画時間でしかもほとんどの人が1回しか見ない中で内容を理解してくれるかどうかはまったく判断できない
今回、1回は完成してニコニコ動画に投稿した動画を作り直してYouTubeに投稿したのだが、その労力に見合うだけのクオリティアップができたかどうかは正直良くわかならない。ただ、動画作りのテンプレートのようなものは大方固まったため、次に作るときに迷うことが少なくなることは期待できる
視聴者への願い
話が題名からとっ散らかってしまったが、最後に締めとして私が思うのは自分の理解の外にある技術に対して「すごい!」というあっけない感想で終わってしまうのはとても勿体ないということだ。よく分からないから「すごい!」というのではなく、理解して感激した上で「すごい!」と言ってほしい。今回こうして解説動画を作った理由は視聴者と知識を共有することによって語れる仲間を増やしたかったから、そこに尽きる。